企業公式Xの運用で考えたいのは、タグの効果だけでなく、その先の導線
2026年10月14日(水)、ORCHIS STUDIOのXスペースで「企業公式Xのハッシュタグ、ぶっちゃけ必要?」をテーマにお話ししました。
企業公式アカウントを運用していると、一度は気になるのがハッシュタグの使い方ではないでしょうか。
「ハッシュタグを付ければ投稿が伸びるのか?」
「フォロワー以外の人にも見つけてもらえるのか?」
「プロフィールにも付けておいた方がいいのか?」
今回のスペースでは、こうした疑問を取り上げながら、企業公式Xでのハッシュタグの役割について整理しました。
ただ、話を進める中で改めて見えてきたのは、ハッシュタグが有効かどうかは、タグ単体では判断できないということです。
何のためにXを運用しているのか。そして、投稿を見た人に次にどう動いてほしいのか。
今回は、当日いただいた質問も交えながら、その考え方を振り返ります。
1. ハッシュタグは「拡散の魔法」ではない
まず確認したのは、ハッシュタグの基本的な役割です。
ハッシュタグには、大きく分けて次のような使い方があります。
- 発見:特定のキーワードやテーマを探している人に、投稿を見つけてもらうきっかけを作る。
- 交流:共通の話題や企画に参加している人同士が、つながりやすくなる。
- 整理:イベントやキャンペーンなど、関連する投稿をまとめて確認しやすくする。
企業公式Xでも、朝の挨拶などに使う交流系、業界や専門分野に関するもの、地域イベントの公式タグ、自社キャンペーン用のオリジナルタグなど、さまざまな使い方が考えられます。
ただし、ハッシュタグを付けたからといって、必ず多くの人に届くわけではありません。
ハッシュタグは投稿を見つけてもらうための手段のひとつであり、表示回数やフォロワー数の増加を保証するものではないからです。
まずは「誰に、何のために使うのか」を考える必要があります。
ハッシュタグの種類や具体的な使い分けについては、別の記事で詳しく解説しています。
2. フォロワー以外の人に見つけてもらうには有効なのか?
今回のスペースでは、参加者の方からこんな質問をいただきました。
「フォロワー以外の人に見つけてもらいたい場合、ハッシュタグは有効なのか?」
これに対するORCHIS STUDIOの回答は、
「無効ではないけれど、有効と言い切れるほどでもない」
というものです。
少し曖昧な答えに聞こえるかもしれません。
しかし、ここは単純に「有効です」と答えられる話ではありません。
例えば、特定のイベントや業界の情報を探している人が、そのハッシュタグを検索して投稿にたどり着く可能性はあります。
一方で、検索されないタグや、投稿内容との関連性が弱いタグを付けても、期待した効果が得られるとは限りません。
また、無関係なタグを大量に付けることで、投稿が読みにくくなったり、宣伝色が強く見えたりする可能性もあります。
つまり、メリットだけではなく、使い方によってはデメリットも考えられるわけです。
では、どう判断すればよいのでしょうか。
ここで確認したいのは、「フォロワー以外の人に見つけてもらって、その先で何をしてほしいのか?」 という点です。
投稿を読んでもらいたいのか。
企業アカウントを知ってもらいたいのか。
プロフィールからホームページへ来てもらいたいのか。
それによって、ハッシュタグを付ける意味も、評価すべき成果も変わってきます。
3. プロフィール欄にハッシュタグを並べるべき?
今回、特に考えておきたいのが、プロフィール欄でのハッシュタグの使い方です。
企業公式アカウントの中には、プロフィール文に業種やサービス名などのハッシュタグを多数並べているケースもあります。
もちろん、それぞれに意図があるのでしょう。
ただし、ORCHIS STUDIOでは、プロフィールの限られた文字数を何に使うべきか、という視点を重視しています。
例えば、Xで興味を持った人の行動を考えてみましょう。
投稿を見る → 興味を持つ → プロフィールを見る
これは、企業公式Xにおける代表的なユーザー行動のひとつです。
では、プロフィールを訪れた人は何を知りたいのでしょうか。
その会社が何をしているのか。どのような商品やサービスを扱っているのか。自分に関係がある会社なのか。
こうした情報ではないでしょうか。
以前のXスペースでは、「プロフィールは会社の受付」 という考え方を紹介しました。
初めて訪れた人が、どんな会社なのかを理解する場所です。
そこにハッシュタグばかりが並んでいると、本来伝えるべき事業内容や自社の強みを説明するスペースが少なくなってしまいます。
もちろん、ハッシュタグが多いことと、プロフィールからの離脱率に直接的な因果関係があると断定できるわけではありません。
しかし、限られた文字数の中で何を優先するかは、企業にとって重要な判断です。
ORCHIS STUDIOでは、プロフィールの文字数は、検索用のハッシュタグを並べることよりも、自社の魅力や提供価値を伝えることに優先的に使うのがよいと考えています。
特に、問い合わせやホームページへの誘導を目的にしているアカウントなら、なおさらです。
4. ハッシュタグはマーケティング目的だけではない
もうひとつ、興味深い質問がありました。
「ハッシュタグを心の声のように使うこともありますよね?」
例えば、こんな投稿です。
「今日も仕事が終わらない…… #帰りたい」
この場合、ハッシュタグは検索してもらうためのキーワードというより、文章のオチや感情表現として機能しています。
今回のスペースでも、こうした使い方は十分にありだとお話ししました。
そもそもSNSは、マーケティングのためだけに存在しているわけではありません。
日常の出来事や感情を共有したり、ユーモアを交えた交流を楽しんだりする場所でもあります。
その意味では、先ほど紹介した「発見・交流・整理」の3つに加えて、「表現・演出」 という役割も考えられます。
ただし、企業公式アカウントの場合は、ブランドの雰囲気や読み手への配慮も必要です。
親しみやすさを大切にする会社なら、こうしたユーモアが魅力につながることもあるでしょう。
一方で、専門性や信頼性を重視する発信では、表現の仕方を考えた方がよい場合もあります。
ここでも、正解がひとつに決まるわけではありません。
そのアカウントが、誰に、どのような印象を持ってもらいたいのか。
それによって、適切な表現も変わってくるのです。
5. 結局、SNS運用の目的に戻ってきた
今回のスペースで繰り返しお伝えしたのが、SNS運用の目的についてです。
実は、今回のハッシュタグの話は、これまでのXスペースで紹介してきた考え方ともつながっています。
9月16日のスペースでは、企業公式Xの運用目的について整理しました。
認知を広げたいのか、交流を深めたいのか、問い合わせにつなげたいのか。
さまざまな目的がある中で、まずは 「主目的1つ+副目的1つ」 に絞って考える、という内容です。
続く9月30日のスペースでは、プロフィールや固定ポスト、ホームページへの導線について取り上げました。
投稿を見た人がプロフィールを訪れ、そこから必要な情報を確認し、次の行動へ進む。
その流れを意識して設計することが大切だとお話ししました。
そして10月14日は、ハッシュタグがテーマでした。
一見すると、これらは別々の話に見えるかもしれません。
しかし、考え方の根本は同じです。
「その施策は、SNS運用の主目的につながっているのか?」
例えば、Xを新しい取引先との接点づくりに使っている会社なら、業界の話題を通じて適切な相手に認知してもらうことには意味があります。
一方、既存のお客様との交流を主目的にしているなら、検索からの新規流入より、コミュニケーションのきっかけを作ることが重要かもしれません。
ハッシュタグの選び方も、評価の仕方も、その目的によって変わってきます。
6. 部分最適が、全体最適とは限らない
SNSの運用では、どうしても個別の数字が気になりがちです。
フォロワー数、インプレッション、いいね、リポスト。
もちろん、こうした数字は運用を振り返るための大切な情報です。
しかし、数字が伸びたことと、事業の成果につながったことは同じではありません。
以前のスペースでも、次の考え方を紹介しました。
「反応 ≠ 関係 ≠ 仕事」
投稿に反応してもらうこと。
そこから関係性が生まれること。
そして、実際の問い合わせや仕事につながること。
それぞれは関係していますが、同じものではありません。
例えば、ハッシュタグの工夫によって投稿への反応が増えたとします。
それ自体は良い変化かもしれません。
しかし、プロフィールを訪れた人が事業内容を理解できなかったり、ホームページへの案内が分かりにくかったりすれば、問い合わせまで進んでもらえない可能性があります。
逆に、投稿の表示回数がそれほど多くなくても、自社の商品やサービスを必要としている人に届き、相談につながるのであれば、事業上は価値の高い運用といえるでしょう。
ここで重要なのは、個々の施策だけを見て良し悪しを判断しないことです。
ハッシュタグを付けるかどうか。
プロフィールに何を書くか。
固定ポストで何を伝えるか。
ホームページのどのページへ案内するか。
問い合わせまで迷わず進めるか。
これらは別々の施策ですが、ユーザーにとってはひとつの連続した体験です。
施策のメリット・デメリットは、その施策単体では決まりません。何のために使い、その前後でユーザーがどう動くのかまで含めて判断することが大切です。
まとめ|「ハッシュタグは必要?」の前に考えたいこと
今回のXスペースでは、ハッシュタグを題材に、企業公式SNSの運用について考えました。
ハッシュタグは、発見・交流・整理、そして表現など、さまざまな役割を持っています。
だからこそ、「付けた方がいい」「付けない方がいい」という二択だけでは、十分な判断ができません。
確認したいのは、次の3つです。
- 何のためにそのハッシュタグを使うのか。
- 誰に投稿を届けたいのか。
- 投稿を見た人に、その後どう動いてほしいのか。
この3つを整理することで、必要な施策も、優先すべき改善点も見えやすくなります。
ORCHIS STUDIOでは、SNSの運用を投稿単体で考えるのではなく、プロフィール・固定ポスト・ホームページ・問い合わせまでを含めたWeb導線として捉えています。
ハッシュタグの使い方ひとつでも、そこから事業全体の導線を見直すきっかけになるかもしれません。
SNSの運用、目的と導線がつながっていますか?
SNSのフォロワーや表示回数は増えているのに、問い合わせや売上につながっていない。
あるいは、SNSからホームページへの流れを、きちんと考えたことがない。
そんなケースもあります。
ORCHIS STUDIOでは、SNSの投稿だけでなく、プロフィール・固定ポスト・ホームページ・お問い合わせまでを、ひとつの流れとして考えています。
大切なのは、個々の施策を頑張ることではなく、その施策が事業の目的につながっているかどうか。
自社のSNS運用やWeb導線について、気になることがあればお気軽にご相談ください。

