ホームページの問い合わせフォームを作るとき、
「せっかく問い合わせてもらうなら、できるだけ詳しく情報を聞いておきたい」
と考えることがありますよね?
名前、メールアドレス、電話番号、会社名、住所、予算、希望納期、相談内容、知ったきっかけ……。
営業やその後の対応を考えると、最初から情報が揃っていた方が便利なのは確かです。
しかし、会社側にとって便利なフォームが、問い合わせる側にとって使いやすいとは限りません。
ORCHIS STUDIOでは、問い合わせフォームを作るとき、
「取れる情報を全部取る」のではなく、「次の対応に必要な情報だけを取る」
という考え方を基本にしています。
ただし、項目数をとにかく減らせばいいわけでもありません。
重要なのは、
その情報を問い合わせ前に聞く必要があるのか、それとも問い合わせ後に確認すればいいのか。
ここを分けて考えることです。
フォームの項目が多いほど親切とは限らない
問い合わせフォームには、会社側の事情が反映されやすくなります。
たとえば、
- 営業担当が事前に詳しく知りたい
- 見積もりに必要な情報を揃えたい
- 担当部署へ振り分けたい
- 後から聞く手間を減らしたい
- 顧客管理に必要な情報を入力してほしい
といった理由です。
どれも会社側から見れば合理的です。
ただ、問い合わせるユーザーはまだ、
「少し聞いてみたい」
「自分の場合も対応してもらえるのか知りたい」
「まず相談できるか確認したい」
という段階かもしれません。
その状態で多くの入力を求められると、
「ここまで書かないと聞けないのか」
「まだ依頼すると決めたわけじゃないんだけど」
と感じることがあります。
フォームは情報収集のためだけに存在するものではありません。
ユーザーが次の段階へ進むための場所でもあります。
項目を減らせばいい、でもない
では、
「フォームは短ければ短いほどいい」
のかというと、それも違います。
必要な情報まで削ってしまえば、その後のやり取りが増えます。
たとえば、訪問対応が必要なサービスなのに地域が分からなかったり、予約を受けるフォームなのに希望日時がなかったりすれば、結局あとから確認しなければなりません。
つまり見るべきなのは、単純な項目数ではありません。
ORCHISでは、それぞれの項目について、
その項目は「あると便利」なのか、「ないと次の対応ができない」のか。
を分けて考えます。
「あると便利」だから入れる、を繰り返していくと、フォームはどんどん長くなります。
一方、
「この情報がないと次の対応ができない」
のであれば、問い合わせ前に聞く意味があります。
必須項目と任意項目を分ける
すべての項目を同じ扱いにする必要もありません。
最低限必要な情報は必須にし、それ以外は任意にする方法があります。
一般的な問い合わせフォームなら、
- 名前
- メールアドレス
- 問い合わせ内容
程度でも、最初のやり取りを始められるケースがあります。
一方で、サービスによっては、
- 電話番号
- 会社名
- 希望日時
- 対応地域
- 希望サービス
などが必要になる場合もあります。
重要なのは、
「問い合わせフォームだからこの項目を入れる」ではなく、その後の対応から逆算すること。
です。
名前・メールアドレス・電話番号は全部必要?
問い合わせフォームでよく見る基本項目も、目的によって必要性は変わります。
名前
個別に返信する問い合わせでは、基本的にあった方が対応しやすい項目です。
ただし、フルネームが本当に必要なのか、姓だけでも問題ないのかはサービスによって変わります。
メールアドレス
メールで返信するのであれば必要です。
入力間違いがあると返信できないため、フォーム側の入力形式やエラー表示も確認しておきたいところです。
電話番号
電話連絡が必要なサービスなら意味があります。
一方、基本的な連絡をメールで行うのであれば、最初の問い合わせ時点では必須にしなくてもいい場合があります。
電話番号があると便利だから、という理由だけで必須にする必要はありません。
会社名・住所・予算・納期は、いつ聞くべきか
BtoBの問い合わせフォームでは、
- 会社名
- 部署名
- 役職
- 住所
- 予算
- 希望納期
などを聞くケースがあります。
もちろん、案件内容によっては必要です。
ただし、ここでも考えたいのは、
「それを最初の問い合わせ時点で聞く必要があるか」
です。
たとえば「Webまわりについてまず相談したい」という入口なのに、予算、希望納期、詳細な依頼内容まで必須にすると、まだそこまで決めていない人は入力しにくくなります。
問い合わせ前に決まっていないことを、必須項目にしてしまうこともあります。
そんなときは、
- 選択肢に「未定」を入れる
- 任意項目にする
- 問い合わせ後のヒアリングで確認する
といった方法も考えられます。
問い合わせ前に聞かなくても、問い合わせ後に聞ける情報はあります。
「とりあえず全部聞く」がフォームを重くする
フォーム設計でありがちなのが、
「あとで使うかもしれないから入れておこう」
という項目です。
一つひとつを見ると大きな負担には見えません。
しかし、
「会社名もあった方がいい」
「電話番号も一応」
「住所も念のため」
「予算も聞いておこう」
と積み重なると、ユーザー側の入力負担は増えていきます。
フォームを見直すときは、各項目について、
この情報がないと問い合わせ後の最初の対応ができないか?
と確認してみてください。
「なくても最初の返信はできる」
のであれば、問い合わせ後に確認する選択肢もあります。
自由記述欄を重くしすぎない
問い合わせ内容を自由記述にしているフォームも多くあります。
自由記述は便利ですが、
「できるだけ詳しくご記入ください」
だけでは、ユーザーが何を書けばいいか迷うことがあります。
特に相談段階のユーザーは、自分の課題をうまく言語化できているとは限りません。
そこで、
- 相談したいこと
- 現在困っていること
- 希望する内容
など、簡単な補足を添えておくと書きやすくなります。
また、すべてを自由記述にするのではなく、
「相談内容を選んでもらう」
↓
「必要なら補足を書いてもらう」
という組み合わせも使えます。
選択式と自由記述を使い分ける
フォームの入力方法も、項目数と同じくらい重要です。
選択肢で答えられる内容まで自由記述にすると、入力の負担が増えます。
たとえば、
「相談したい内容」
であれば、
- ホームページ制作
- LP制作
- 既存サイト改善
- SNS・X導線
- 問い合わせ・予約導線
- その他
などから選べるようにして、必要に応じて補足を書いてもらう方法があります。
一方で、相談内容を細かく分類しすぎると、
「自分はどれを選べばいいのか分からない」
という問題も起こります。
選択肢を増やすことと、分かりやすくすることは同じではありません。
スマホで入力して確認する
フォームはパソコンで作っていても、ユーザーがスマートフォンから入力することがあります。
そのため、
- 入力欄が小さすぎないか
- 選択肢が押しにくくないか
- 項目数が多すぎて長く感じないか
- キーボードを開いた状態でも操作しやすいか
- 送信ボタンが分かりやすいか
などは、実際にスマホで確認した方がいいでしょう。
フォームが表示されていることと、入力しやすいことは別です。
エラー表示と送信完了まで確認する
フォーム改善というと項目ばかり見がちですが、入力後の動きも重要です。
たとえば、
- 必須項目が未入力だったとき
- メールアドレスの形式が違ったとき
- エラーが出たとき
- 送信ボタンを押したあと
- 正常に送信できたとき
まで一度確認してみてください。
エラーが出ているのにどこを直せばいいか分からなかったり、送信後に完了したか判断できなかったりすると、フォーム内容が良くても途中で止まる可能性があります。
フォームだけ直しても問い合わせが増えるとは限らない
ここはORCHISで特に重視しているところです。
問い合わせが少ないからといって、
「フォームの項目が多いからだ」
とすぐ判断するのは早いです。
確認したいのは、
流入
↓
ページ閲覧
↓
CTAクリック
↓
フォーム到達
↓
入力開始
↓
送信完了
という流れです。
たとえばCTAクリック自体が少ないのであれば、フォームを直す前にCTAやページ内容を見る必要があります。
フォーム到達までは多いのに送信が少ないのであれば、そこで初めてフォームの項目や使いやすさを疑えます。
つまり、
数字が悪いから施策を変えるのではなく、どの数字から悪くなっているのかを見る。
ことが重要です。
CTAそのものの考え方については、以下の記事でも詳しく解説しています。
【あわせて読みたい:CTAは増やせばいいわけじゃない|ホームページの問い合わせ導線を改善する考え方】
フォームは「ゴール設計」とセットで考える
問い合わせフォームだけを単独で考えると、
「どんな項目を入れるか」
という話になりがちです。
しかし、その前に決めるべきなのは、
このフォームで何を成果とするのか。
です。
無料相談なのか。
見積もり依頼なのか。
予約なのか。
一般的な問い合わせなのか。
ゴールが違えば、フォームで必要な情報も変わります。
たとえば予約フォームなら希望日時が必要でしょう。
一方、「まず相談したい」というフォームで、詳細な予算や納期まで必須にすると、入口としては重くなる可能性があります。
問い合わせ・予約・見積もりなどのゴール設計については、こちらの記事で整理しています。
【あわせて読みたい:問い合わせ・予約・見積もりを全部並べてない?ホームページのゴールを整理する考え方】
ORCHISなら、フォーム改善はこの順番で考える
問い合わせフォームを見直すとき、ORCHIS STUDIOでは項目数だけを見ません。
まず、
1. このページの主ゴールは何か
を確認します。
次に、
2. そのゴールへ進むために、問い合わせ前に必要な情報は何か
を整理します。
そして、
3. 「あると便利」と「ないと対応できない」を分ける
ことで、必須項目と任意項目を決めます。
さらに、
4. スマホ入力・エラー表示・送信完了まで実際に確認する
ところまで見ます。
そのうえで、
5. CTAクリックから送信完了まで、どこで数字が落ちているかを確認する
という順番です。
フォームだけを切り離して改善するのではなく、
CTA → フォーム → 送信完了
まで一つの導線として見ることが大切です。
まとめ|フォームは会社のための情報収集ページではない
問い合わせフォームでは、多くの情報を集めようとするほど良いとは限りません。
反対に、項目を減らせば必ず問い合わせが増えるわけでもありません。
基準にしたいのは、
その情報が、問い合わせ後の次の対応に本当に必要かどうか。
です。
「あると便利だから聞く」のか。
「ないと次に進めないから聞く」のか。
この違いを整理するだけでも、フォームの設計は変わります。
そして、フォーム離脱が気になる場合も、すぐに項目を削るのではなく、
CTAクリック
↓
フォーム到達
↓
入力開始
↓
送信完了
のどこから数字が悪くなっているのかを確認してください。
フォームは、会社側が欲しい情報をできるだけ集める場所ではありません。
ユーザーが次の段階へ無理なく進むための場所です。
ORCHIS STUDIOでは、問い合わせフォームだけでなく、HP・LP・CTA・予約・SNSなども含めてWeb導線全体を確認し、どこが詰まっているのかを整理したうえで改善を考えています。
「問い合わせフォームを見直したいけれど、項目を減らすべきか分からない」
「そもそもフォーム以前に、どこに問題があるのか分からない」
という場合は、フォームだけを変更する前に、一度Web導線全体を整理してみてください。

