ホームページに、
「お問い合わせ」
「無料相談」
「予約する」
「見積もりを依頼する」
といったボタンを並べている会社は少なくありません。
どれも最終的には「見込み客から連絡をもらう」という意味では似ています。
ただし、ユーザーから見ると、この4つは同じ行動ではありません。
問い合わせなら「少し聞きたいだけ」かもしれません。
予約なら「日時を決めて利用したい」。
見積もりなら「具体的に依頼を検討している」。
申し込みなら、さらにその先まで意思決定が進んでいます。
つまり、
問い合わせ・相談・予約・見積もり・申し込みは、ユーザーに求める判断の重さが違います。
ホームページのゴールを考えるときは、ボタンやフォームを作る前に、
「このページを見た人に、次にどこまで進んでほしいのか」
を整理する必要があります。
ホームページの「ゴール」とは何か
ホームページのゴールというと、
「問い合わせを増やすこと」
と考えがちです。
もちろん、それ自体は間違いではありません。
ただ、「問い合わせ」という言葉の中には、実際にはいくつもの行動が含まれています。
| ゴール | ユーザーの状態 | 行動の重さ |
|---|---|---|
| 問い合わせ | 分からないことを確認したい | 比較的軽い |
| 相談 | 自分の課題について話したい | やや軽い |
| 予約 | 利用する日時を決めたい | 中程度 |
| 見積もり | 具体的に費用を確認したい | やや重い |
| 申し込み | サービスを利用すると決めている | 重い |
たとえば、まだサービスについて調べ始めたばかりの人に、
「今すぐ見積もりを依頼してください」
と求めても、少し早いかもしれません。
逆に、すでに依頼する会社を探している人に、
「まずはお問い合わせください」
だけでは、次に何が起きるのか分かりにくい場合があります。
重要なのは、
会社が進ませたい場所ではなく、ユーザーが今いる段階から無理なく進める場所をゴールにすることです。
ゴールが多すぎると「どれを選べばいいのか」が分からなくなる
選択肢が多いほど親切に見えることがあります。
お問い合わせはこちら。
無料相談はこちら。
予約はこちら。
見積もりはこちら。
資料請求はこちら。
LINEはこちら。
電話はこちら。
確かに、あらゆるユーザーに対応できそうです。
しかし、初めてサイトを訪れた人からすると、
「結局、自分はどれを選べばいいの?」
という状態になることがあります。
前の記事「CTAは増やせばいいわけじゃない」でも触れましたが、問題なのはボタンの数そのものではありません。
同じCTAをページ内に複数配置することは問題ありません。
問題になるのは、
意味の違う行動を、すべて同じ重要度で並べてしまうことです。
「主ゴール」と「補助ゴール」を分ける
そこで考えたいのが、
主ゴールと補助ゴール
です。
たとえばWeb制作会社なら、
主ゴールを「相談する」
補助ゴールを「制作事例を見る」
とする方法があります。
サロンなら、
主ゴールを「予約する」
補助ゴールを「メニュー・料金を見る」
とすることもできます。
BtoBサービスなら、
主ゴールを「相談する」
補助ゴールを「資料を見る」「事例を見る」
といった形にできます。
すべての行動を削る必要はありません。
そのページで最も進んでほしい行動を一つ決め、それ以外は補助として整理する。
これだけでも導線はかなり分かりやすくなります。
サービス業・店舗・BtoBでは適切なゴールが違う
ホームページのゴールに絶対的な正解はありません。
事業によって、ユーザーが求めている次の行動が違うからです。
飲食店や美容室など、来店することが前提のサービスなら「予約」が主ゴールになりやすいでしょう。
Web制作やコンサルティングなど、依頼前に条件整理が必要なサービスでは「相談」や「問い合わせ」の方が自然です。
設備工事や法人向けサービスなど、条件によって金額が大きく変わる場合は「見積もり依頼」が重要になる場合もあります。
だからこそ、
「他社が無料相談を置いているから」
「予約ボタンがあった方が成果が出そうだから」
という理由だけで決めないことが大切です。
実際の顧客が契約までにどんな順番で判断しているか。
そこから逆算してゴールを決めます。
一つのフォームですべて受けようとすると重くなりやすい
ゴールを整理するときに、もう一つ確認したいのがフォームです。
問い合わせも、
相談も、
見積もりも、
予約も、
全部一つのフォームで受けようとすると、入力項目が増えやすくなります。
会社名。
担当者名。
電話番号。
住所。
予算。
希望納期。
相談内容。
希望日時。
サービスの種類。
すべての人に必要ではない情報まで入力させるフォームになってしまうことがあります。
すると、
「ちょっと聞きたかっただけなのに、こんなに入力するの?」
という状態になりかねません。
フォームは、
会社側が欲しい情報をできるだけ集める場所ではありません。
ユーザーが次の段階へ進むための場所です。
必要な情報はもちろん取得する必要があります。
ただし、
「この情報は、本当にこの時点で必要なのか?」
という視点は持っておきたいところです。
だからといって、フォームを何個も作ればいいわけではない
ここも注意が必要です。
問い合わせ用。
相談用。
予約用。
見積もり用。
資料請求用。
と、すべて別フォームにすればいいわけでもありません。
フォームが増えれば、管理する側の負担も増えます。
ユーザーから見ても違いが分からなければ、結局迷います。
分けるかどうかを見る基準は、
必要な情報や、その後の対応が大きく違うかどうか。
です。
たとえば「一般的な質問」と「無料相談」で必要な情報がほとんど同じなら、一つのフォーム内で問い合わせ種別を選んでもらう方法もあります。
一方で、通常の問い合わせは文章を送れば完了するのに、
予約では日時選択が必要、
見積もりでは仕様や予算の確認が必要、
という場合は、それぞれを分ける意味があります。
フォームの数ではなく、
ユーザーが迷わず、その行動に必要な情報だけ入力できるか
で判断します。
CTAと、その先のフォームを揃える
CTAとフォームの内容が一致しているかも重要です。
たとえば、
「無料相談を予約する」
というボタンを押したのに、遷移先が普通の問い合わせフォームで、
「お問い合わせ内容をご記入ください」
だけだったらどうでしょうか?
ユーザーは、
「ここで予約できるんじゃないの?」
と感じるかもしれません。
逆に、
「お問い合わせ」
という軽いCTAを押したあとに、予算や希望納期、契約時期まで必須入力させられれば、想像していた行動より重く感じるでしょう。
CTAはボタンだけで完結しません。
ボタンを押したあとに何が起こるのかまで含めて、一つの導線です。
問い合わせ数を増やす前に「何を問い合わせとして数えるのか」を決める
Web改善では、
「問い合わせが月に何件あったか」
を見ることがあります。
ただし、
一般的な質問も、
営業メールも、
無料相談も、
予約も、
見積もり依頼も、
すべて同じ「問い合わせ1件」として数えていると、本当に欲しい成果が増えているのか分かりません。
たとえば問い合わせ件数が、月10件から月20件に増えたとしても、増えた10件がすべて営業メールなら、事業成果が改善したとは言いにくいでしょう。
逆に件数は同じでも、その中の見積もり依頼が増えているなら、意味は大きく変わります。
だからORCHISでは、
問い合わせ数を増やす前に、「何を問い合わせとして数えるのか」を決める
ことを重視します。
ゴールごとに数字を見られる状態を作る
ゴールを整理したら、計測も分けて考えます。
問い合わせ。
予約。
見積もり依頼。
相談。
これらを全部まとめて一つの数字だけで見るのではなく、可能であればそれぞれ確認できる状態にします。
すると、
アクセスはある。
CTAもクリックされている。
でも相談だけが少ない。
あるいは、
予約ページまでは進んでいるのに、予約完了が少ない。
といった形で、問題の場所を判断しやすくなります。
これは「問い合わせが少ない」という最終結果だけを見て施策を変更するより、ずっと改善しやすい方法です。
ORCHISでは基本的に、
流入
↓
ページ閲覧
↓
CTAクリック
↓
フォーム・予約ページ到達
↓
送信・予約完了
という流れで確認します。
数字が悪いから施策を増やすのではなく、どの数字から悪くなっているのかを見る。
ここを間違えると、本当はフォームに問題があるのにSNS投稿を増やしたり、流入自体が少ないのにフォームだけを変更したりすることになります。
ORCHISなら「フォームを作る前」にゴールを整理する
ホームページを改善するとき、
「問い合わせフォームを新しくしよう」
「予約システムを導入しよう」
「無料相談ボタンを追加しよう」
と、すぐに機能を追加したくなることがあります。
ただ、ORCHISではその前に確認します。
このサイトを見た人は、
今どんな状態なのか。
次にどこまで進めば自然なのか。
事業として本当に欲しい行動は何なのか。
その行動に必要な情報は何なのか。
そして、
その後、社内ではどのように対応するのか。
ここが整理されて初めて、CTAやフォームの形が決まります。
フォームを作る前に、何を成果とするのかを決める。
それがWeb導線を考えるときの土台です。
まとめ|ゴールを増やすより、次の一歩を分かりやすくする
ホームページには、
問い合わせ、
相談、
予約、
見積もり、
申し込みなど、
さまざまなゴールがあります。
どれか一つだけにしなければならないわけではありません。
ただし、それぞれはユーザーに求める判断の重さが違います。
大切なのは、
そのページを見ている人が、次にどこまで進むのが自然なのかを考えること。
そして、
主ゴールと補助ゴールを整理し、
CTAとフォームを揃え、
ゴールごとに数字を確認できる状態を作ります。
「問い合わせを増やしたい」と思ったときほど、
まず確認してみてください。
あなたのホームページでは、何を「成果」として数えていますか?
ホームページ・SNS・問い合わせフォームをそれぞれ別々に改善しても、導線全体がつながっていなければ成果につながりにくい場合があります。
ORCHIS STUDIOでは、X・SNSからHP、CTA、問い合わせ・予約までを一つの流れとして確認し、どこから改善するべきかを整理しています。

